公開日 2022年9月27日
更新日 2024年3月29日
ヤングケアラーとは?
法令上の定義はありませんが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされています。
(こども家庭庁HPより)
令和5年度臼杵市ヤングケアラー実態調査の結果について
臼杵市では、ヤングケアラーと思われる子どもを正確に把握するため、ケアの対象者及びその内容、頻度などの現況、相談先や支援ニーズを把握し、記名者に対する早期支援を講ずることを目的として、ヤングケアラーの実態調査を実施しました。
調査実施の背景及び課題
臼杵市はこれまで、ヤングケアラーについて本市ホームページや市報等で広く周知するとともに、要保護児童対策地域協議会を構成する関係機関と情報を共有し、必要な支援につなげています。
一方で、ヤングケアラーは家庭内の課題が複合的に重なりあっていることや本人や家族に自覚がないといった理由から、支援が必要であっても表面化しにくい状況があります。そのため、臼杵市内に住民票がある市内の小学生(5~6年生)、中学生(1~3年生)、高校生(1~3年生)を対象に実態調査を行いました。
調査の目的
- ヤングケアラーは、家庭内のデリケートな問題であることから表面化しづらく、また社会的な認知度も現時点において低いため、周囲の大人のみならず、子ども自身も自覚がない場合が多いことで、適切な支援に結び付いていないことが課題。
- 経済財政運営と改革の基本方針2021(令和3年6月18日閣議決定)においても、「ヤングケアラーについて、早期発見・把握、相談支援など支援策の推進、社会的認知度の向上などに取り組む。」とされている。
- 本調査は、臼杵市におけるヤングケアラーと思われる子どもを正確に把握するため、ケアの対象者及びその内容、頻度などの現況、相談先や支援ニーズ等を把握し、ヤングケアラーとしての自覚などヤングケアラーの実態を把握するとともに、市の施策の基礎資料とすること。また、記名者に対する早期支援を講ずることを目的とする。
調査時期
令和5年10月~12月
調査対象・調査方法等
(1)小学生調査(設問数:25)※令和3年度大分県実施の調査の設問数:78
- 調査時期 :令和5年10月~12月
- 調査対象者 :臼杵市に住民票がある市内13校に在籍する小学生5、6年生
- 調査方法 :学校を通じたWEBを利用した回収調査
(2)中学生調査(設問数:38)※令和3年度大分県実施の調査の設問数:79
- 調査時期 :令和5年10月~12月
- 調査対象者 :臼杵市に住民票がある市内5校に在籍する中学生
- 調査方法 :学校を通じたWEBを利用した回収調査
(3)高校生年代調査(設問数:38)※令和3年度大分県実施の調査の設問数:79
- 調査時期 :令和5年10月~12月
- 調査対象者 :臼杵市内に住民票がある高校生年代すべての者
- 調査方法 :郵送発送、郵送回収及びWEBを利用した回収調査
令和5年度臼杵市ヤングケアラー実態調査(結果概要)
〇世話をしている家族がいると回答した児童・生徒が166人おり、世話のためやりたいことができない(ヤングケアラー疑い)と回答した児童・生徒が23人いることが確認された。
ヤングケアラーに関する実態調査結果のまとめ
① ヤングケアラーの存在
- 世話をしている家族がいると回答した児童・生徒が166人おり、世話のためやりたいことができない(ヤングケアラー疑い)と回答した児童・生徒が23人いることが確認された。
- 調査の結果からヤングケアラーと疑われる児童・生徒は23人(記名あり17人、記名なし6人)であり、児童・生徒との面談もしくは所属の学校からの情報提供により、早期の対応が必要。
- ヤングケアラーと疑われる児童・生徒23人のうち、臼杵市要保護児童対策地域協議会において、管理している児童・生徒1人が重複している。その1人についてはすでに支援に繋がっているものの、その他22人は、臼杵市要保護児童対策地域協議会で把握ができているヤングケアラー疑いのある児童・生徒の数よりも多くなっている。このことから、ヤングケアラーの問題が表面化しづらい特徴を有していることが示されている。
- 多くの支援機関が横断的に支援をしていけるよう連携が重要であり、家庭状況の機微な変化に気付き、支援を行うことが必要。
② ケアの状況
- 世話の内容については、小学生は家事(食事の準備や掃除、洗たく)の割合が多く、中学生、高校生年代は、見守りの割合が多い傾向がみられた。
- 中学生、高校生年代の児童・生徒の世話の対象は、兄弟姉妹の割合が多い結果であった。
- 世話の頻度については、小学生、中学生、高校生年代ともに「ほぼ毎日」と回答した割合が多かった。
- 世話の理由については、中学生、高校生年代ともに世話の対象が「幼い」という特徴を有している割合が多く、世話の対象が兄弟姉妹の割合が多い結果と重複している。
- 上記のことから、家事支援(掃除、洗たく、子の見守り等)を行うなど、負担軽減につながる支援サービスが必要。
③ ケアの影響
- 世話をしていることで、「進路の変更を考えざるを得ない、もしくは進路を変えた」等の深刻な影響が出ている生徒が高校生年代に存在することから、早急な対応が求められる。
- 調査の結果、小学校全体の約2.6%、中学生全体の約1.1%、高校生年代全体の約0.9%が、世話をしているため、やりたいけれどできていないことが「ある」と回答している。
- 相談ができる人はいるものの、実際には相談していない児童・生徒も一定数いることから、気軽に相談できる相談窓口の設置及び周知が必要。
④ ヤングケアラーの認知度
- ヤングケアラーの認知度については、小学生、中学生、高校生年代、すべての学校種において、大分県や国より大幅に高くなっていることから、ヤングケアラーの周知活動に一定の効果があったものと思われる。
- 特にヤングケアラーを知ったきっかけとして、すべての学校種において、「学校」が最も多く、すべての学校種において、大分県や国より大幅に高くなっていることから、臼杵市における学校を通じたヤングケアラーの周知活動の成果が現れていると考えられる。具体的には、児童・生徒1人1人にパンフレットを配布している。児童・生徒にとって身近な学校を通じた周知活動の有効性が証明されたことから、今後も更なる周知活動への取り組みが必要。
⑤ 今後の取組について
◇ヤングケアラーは、家庭内外のさまざまな課題が複合的に含まれており、また、ヤングケアラーの当事者が自覚しにくいという特徴を有しています。
◇児童の様子はもちろんですが、家庭状況の機微な変化を把握、モニタリングしていくことが、支援のなかでも重要な部分といえます。
◇本市においては、児童や保護者を支援するさまざまな事業(要保護児童関連では、主に支援対象児童等見守り強化事業、子育て世帯訪問支援事業等)を活かし、児童や保護者への支援に結び付けていきたいと考えております。
(主なヤングケアラー支援事業について)
・支援対象児童等見守り強化事業(要保護児童等の家庭を訪問し、弁当や日用品等の 配布を行う支援)
・子育て世帯訪問支援事業(※令和6年度新規事業 ヘルパー派遣により掃除、調理等の家事支援)
◇子どもやその保護者を地域で見守り、地域で支え合うそのような仕組みが大切であるため、臼杵市要保護児童対策地域協議会やうすきプラットフォームなど多くの支援機関が横断的に支援をしていけるよう連携・強化を図っていきます。
主なヤングケアラー支援事業について[PDF:154KB]
(概要版)令和5年度臼杵市ヤングケアラーに関するアンケート調査結果報告書[PDF:1.62MB]
令和5年度臼杵市ヤングケアラーに関するアンケート調査結果報告書[PDF:3.08MB]
ヤングケアラーに関する相談窓口について
臼杵市子ども・子育て総合支援センター「ちあぽーと 家庭児童相談室」
家庭児童相談員やちあぽーとの職員が家庭や子ども本人の困っていることを確認し、困っている内容に応じて関係機関(学校、スクールソーシャルワーカーなど)と一緒に対応いたします。
また、臼杵市では、ヤングケアラーに関する相談窓口の拡充として、相談申込フォーム、オンライン相談窓口を設置しました。
◇ヤングケアラーに関する相談申込フォームについて
臼杵市子ども・子育て総合支援センター「ちあぽーと 家庭児童相談室」
①対面での相談
相談希望がある方は、基本情報(氏名、連絡可能な時間帯等)の入力をお願いします。後日、臼杵市子ども子育て課よりご連絡差し上げます。
【ヤングケアラーに関する相談申込フォーム】⇒https://logoform.jp/form/iLiF/
②オンラインでの相談(う♡(すき)ラクまどオンライン窓口予約について)
オンライン上(対面)で相談をお受付いたします。
【う♡(すき)ラクまどオンライン窓口】⇒https://frontweb.fgtriview.jp/
電話相談:0972-86-2716(平日 9:00~17:00)
大分県ヤングケアラー専用 電話相談窓口等について
大分県では、大分県内のヤングケアラーの支援のため、下記のとおり相談窓口を開設しています。
電話相談:097-546-1451(24時間・365日対応)
SNS相談窓口(LINE相談):https://lin.ee/lR4LuAY
≪詳しくはコチラ(URL)≫
https://www.pref.oita.jp/soshiki/12480/surveyoftheyoungcarer-sodann.html
児童相談所の相談専用ダイヤルについて
児童相談所は、都道府県が設置する機関で、子どもの健やかな成長を願って、ともに考え、問題を解決していく専門の相談機関です。虐待の相談以外にも子どもの福祉に関する様々な相談を受け付けています。
電話番号:0120-189-783(フリーダイヤル)
受付時間:24時間受付(年中無休)
その他相談先について
①「24時間子どもSOSダイヤル」
いじめやその他の子供のSOS全般について、子供や保護者などが夜間・休日を含めて24時間いつでも相談できる、都道府県教育委員会などによって運営されている、全国共通のダイヤルです。
電話番号:0120ー0-78310(フリーダイヤル)
受付時間:24時間受付(年中無休)※通話料無料
②「子どもの人権110番」
いじめや虐待など子どもの人権問題に関する専用相談電話です。
電話番号:0120-007-110
受付時間:平日8:30~17:15 ※通話料無料
土・日・祝日・年末年始は休み
電話番号 0972-86-2716
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