公開日 2019年2月1日
更新日 2019年2月28日
2008年6月25日(水)
株式会社ザ・スーパーシェフより、臼杵市に依頼があり、 野津給食センターで『超人シェフのスーパー給食』を行いました。
超人シェフとして、私たちと一緒に給食を作ったのは「片岡護さん」です!!
スーパー給食の目標
スーパー給食を行うにあたり、野津給食センターとしては以下の目標を掲げました。
- 「白ごはんを残さず食べる」
- 「野津の野菜をおいしく食べる」
普段の給食で、いちばん残りが多いのは白ごはんやパンです。ふりかけや、ジャムがないと残ってしまいます。
おかずと一緒に食べずに、「ばっかり食べ(一品ずつ食べる)」をしている子が多いのも原因のひとつだと考えられます。
そこで、今回は「ごはんに合うおかず」をシェフに考案してもらいました。
ごはんと代わりばんこに食べてほしいという思いを込めました。
また、野津特産のピーマンやニラをはじめ、たくさんの野菜を使うようにしました。
数ヶ月前から綿密な打合せを繰り返し、いよいよ当日!
片岡シェフは、日本のイタリア料理ブームの先駆けとして有名な方です。
私たちは、前日の打合せが初対面でした。
給食センターに到着後、すぐに着替えて調理室に入り、材料の受け取りを見守るシェフ。
量を確認してもらい、急遽、増やした野菜も。
この日ももちろん地元産の野菜をたくさん使います!
10種類中8種類が野津産でした。
今回、初めて使う食材も何品かありました。
その中のひとつは、ズッキーニです!
多種類の調味料を使いました。
「いろいろな味を組み合わせることで味に奥行きが出る」とのことでした。
シェフと助手の石井さんの野菜を扱う姿を見て、「材料を無駄なく丁寧に扱うことが大切って改めて感じたわぁ」調理員の感想です。
調理員も下処理に奮闘!
メディアの撮影に緊張している場合ではありませんでした。
時間に間に合わせて作るのも大事なので、機械で切れるものは機械を使いました。
シェフ自ら調理。バジルやローリエの使用で調理室がいつもとは違った香りに包まれ、私たちのテンションも上昇。
大きな釜を扱うのは初めてとのことです。
新鮮で嬉しい。と話してくれました。
初めてとはいえ、サスガ!の手つきでした。
カポナータに入れるなすは、素揚げしました。
揚げ具合などをシェフに確認してもらいます。
こちらはサラダ用の野菜のボイル。
いくら特別な料理でも、給食の基本は厳守。
シェフも快く協力してくださいました。
ドレッシング作り。バルサミコ酢やレモン果汁など
多種類を使用。調味料の特徴を熟知している
シェフならではの調味でした。
何度も味見をして、味の調整をしました。
本場の味と、子どもの好む味の合うところを
探ります。
卵アレルギー用のカポナータ作り。
アレルギーの子にもシェフの料理を食べてもらうことができて良かったです。
野菜が煮えればOKではなく、よりおいしくなるように十分な煮込み時間をとることを教えていただきました。
時間に間に合うか少し焦りましたが後半挽回し、完成! ひとまずホッ。
後は子どもたちの反応が気になります!
川登小学校での様子
シェフと一緒に作った給食は、いつもの給食と同じように野津地域の全幼小中学校に届けました。
その中の一校、「川登小学校」にシェフが訪問しました。
この日のために、先生方に協力していただき、片岡シェフを迎える準備をしてきました。
配膳してシェフを迎えます。
初めて見る料理に歓声も。
子どもたちは、この日をとても楽しみにしていました。
準備が整って、シェフをお迎え。
子どもたちだけではなくシェフも楽しみにしてくれていました。
みんな揃って「いただきます!」
「みんなのために東京から来てくれたんよ」 「え~!?飛行機で!?」「うん、そう」
石井さんと子どもたちの微笑ましい会話です。
野菜の生産者の藤嶋さんもご招待しました。
シェフに野菜を褒められて嬉しそうでした。
おかわりする子どもたち。
ご飯と野菜の残りはほとんどなく、目標達成と言っていいのではと思います!
会食の後は、質問タイム。みんな聞きたいことがたくさんありました。
質問に丁寧に答えてくれました。
みんな真剣に聞いていました。
片岡シェフは、有名になっても食べる人のことを考えて心を込めて料理を作っている。ということが十分に伝わったのではないかと思います。
片岡シェフへの質問
シェフじゃなかったら何になっていましたか?
デザイナーになっていたかも。もともと目指していたのはデザイナーでした。
どこで料理を習いましたか?
19才でイタリアに行って習いました。
イタリア料理で得意なものはなんですか?
パスタが大好き。イタリア料理は、パスタで始まってパスタで終わると思っています。一番初めに食べたパスタは、カルボナーラで、感動しました。
なんでおいしい料理が作れるのですか?
どうやったらおいしく食べてもらえるかと思って作っています。
シェフになるのに何年くらいかかりましたか?
仕事をした所に、1人しかいなかったから0年。イタリアに行ったらシェフになりました。
作っていて一番大変なことは?
あんまりないです。朝早くおきて、夜遅くまで大変だけど、お客さんがおいしいと言ってくれたら忘れます。料理が好きだから苦労に感じないです。
シェフになったときはどんな気持ちでしたか?
大変だった。買い物もなんでも一人でしないといけなかったから。
シェフのレストランには何人くらい来ますか?
お昼が20~30人くらい。夜が30~50人くらい。
作っているときは何を考えていますか?
食べる人のこと。おいしいっていうかな?どんな顔をするかな?と考えて作っています。
献立作り、食材の吟味、調理の方法など、いつもとは少し違う給食作りでしたが、
気さくな片岡シェフのおかげで、忙しいながらも楽しくできました。
子どもたちのための企画でしたが、私たち、栄養士や調理員にとっても、とてもよい経験になったと思います。
この企画が終わった後も、片岡シェフをテレビで観たり、執筆の本を見つけたりし、あらためて、「偉大な方と給食を作ったなぁ」と感じます。
「カポナータ」「キャベツといかのにら風味サラダ」のレシピを見ることができます
こちらからどうぞ→人気メニューレシピ
この日の様子は、テレビや新聞、ホームページや、片岡シェフのブログでも紹介されました。