公開日 2019年2月7日
更新日 2019年2月28日
- 地域
- その他
- 名称
- 裏奴(うらやっこ)
- 所在
- 備考
- 昭和57年8月調べ
- 説明
- 風を受け、大空高く舞い上がる凧、役者絵、武者絵、奴絵、さらに字だけを書いたものなど、形の違いも含めて色とりどりの凧が、空を埋め尽くさんばかりに舞い上がっている光景は盛観です。
もういくつ寝ると お正月 お正月には 凧あげて 独楽を回して遊びましょう 早くこいこい お正月
と歌の文句にもあるように、凧といえば、一般的にはお正月の風物詩と思われる方も多いのではないでしょうか。しかし、臼杵地方では、真夏の、しかもお盆の暑い時期に凧をあげる習わしがあります。
このお盆の凧あげが、いつのころから始まったのか、はっきりとはわかりませんが、言い伝えによると、昔、稲葉のお殿様が参勤交代で臼杵に帰ってくる途中の東海道で、寒風に舞う凧をご覧になり、臼杵に帰ってから広めたそうです。しかし、臼杵に着いたときにはすでにお盆になっており、それでお盆に凧あげをするようになったと伝えられています。
臼杵には、凧あげの季節とともに、もう一つ裏奴と呼ばれる珍しい凧があります。奴凧というと、普通、表に奴の正面の姿を描いているものですが、裏奴というのは字のごとく奴の後姿を描いたものです。太陽に向かい背を見せることなく、堂々と正面を向いて舞い上がってゆくという姿は、人の前向きな生き方を裏奴という形で表現したものと考えられます。
夢と希望をのせた裏奴が、太陽に向かって高く舞い上がる姿は、まさに「ふるさと臼杵」のお盆の風物詩といえます。