公開日 2019年2月7日
更新日 2019年2月28日
- 地域
- その他
- 名称
- 水車(すいしゃ)
- 所在
- 備考
- 昭和58年10月調べ
- 説明
- 水車という言葉を耳にすると「ああ、昔は、臼杵のここにもあそこにも水車があったなあ・・・」と感慨深げにその当時を思い起こされることと思います。
ギィー、ガッタン、ゴットン と音をきしませながらゆるやかに回る水車。羽根車に流水や落水をいっぱいに受け、力強く回る姿からは、素朴な中にも自然を上手に利用し、仕事をより合理的に進めようとする先人の知恵と工夫とが伺われます。一口に水車といっても、そこには、いろいろな使われ方があります。籾摺り、粉挽き、あるいは、羽根を足で踏みながら回し、田に水をくみ入れる灌漑用のものなど様々です。臼杵の水車は小麦や酒米を摺ったり、芋の粉を挽いたりすることがおもな仕事だったようです。このような水車が盛んに使われていたのは昭和の初めごろまでで、その後は機械で簡単にしかも短時間のうちに多量に摺ったり、挽いたりすることができる精米所にその仕事をとってかわられ、徐々に姿を消してゆきました。今では、市内に残っている水車はなく、また河川改修や造成によってその位置さえもわからなくなっています。
こうした状況の中で、わずかに当時の様子をうかがえる跡地が、海添のカケハシに残っています。ここには自然石を積み上げた幅約1m、深さ約1.7mほどの輪通しと呼ばれる溝や水路が残されており、この溝の大きさから水車は、直径3m以上あったものと推測できます。
先人の知恵と工夫から生まれ、ふるさとの生活史の一コマを飾って消えた水車。それは、まるで羽根車に受けて流れた水のように似ています。