公開日 2019年2月7日
更新日 2019年2月28日
- 地域
- その他
- 名称
- 狛犬(こまいぬ)
- 所在
- 備考
- 昭和60年3月調べ
- 説明
- 神社に参詣すると、どこででもと言っていいほど目にすることができるものに狛犬があります。境内の鳥居をくぐり拝殿に進んでゆくと、その左右に一対、あるいは神殿の左右に一対ずつ配置されている狛犬を見ることができます。市内の神社に置かれている狛犬は、中尾の日吉社・井村三嶋神社の木彫像・大泊御霊社の陶製像を除けばその大部分は、地元でとれる凝灰岩で彫像したものですが、なかには、硬質の砂岩やミカゲ石に彫られているものもあります。
狛犬は、阿形(口を開いているもの)と吽形(口を閉じているもの)とが一対となり、神殿、拝殿に向かって右側に阿形、左側に吽形の像が置かれています。この狛犬というのは、中国・朝鮮から伝えられたもので、古くは宮中などにおいて部屋を仕切るために布をかけたついたて(几帳)の鎮子として用いられていたこともありますが、本来は神社の守護神として安置されてきました。すなわち神域に侵入しようとする悪霊を今にも吼えとびかからんばかりの形相をした一対の狛犬が阿吽の呼吸を以って退散させようとする目的から安置されてきたものです。神社に安置されている狛犬の中でも時代的に古いものとしては、八坂神社拝殿前の文化十年(1813)の銘のあるものや平清水天満宮神殿の左右に安置されている天保三年(1832)の銘のあるものなどが上げられます。また、珍しいものとしては、田井ヶ迫熊野権現社や下ノ江綿津見神社の玉取り獅子の形を表現した狛犬などがあります。
狛犬の表情は時代によって、また作者によってその表現がそれぞれ異なりますが、守護神としての狛犬からは、いずれも力強さと、威風が感じられます。