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下ノ江駅の鳥越稲荷

公開日 2019年2月7日

更新日 2019年2月28日

下ノ江駅の鳥越稲荷の写真
地域
佐志生・下ノ江地域
名称
下ノ江駅の鳥越稲荷(したのええきのとりごえいなり)
所在
 
備考
平成2年11月調べ
説明
早いもので今年ももう十一月を迎えました。市内のあちこちからはにぎやかな秋祭りのお囃子が聞こえてきます。
ここ、下ノ江駅構内にある鳥越稲荷社でも十一月三日に秋の例祭が行われます。ただ、ここの秋祭りは他の神社のように今年の収穫を感謝するお祭ではなく、鉄道の安全を祈願するものです。
「駅にあるお稲荷さんだから当然のこと」と思われるでしょうが、実はこの駅にお稲荷さんが祀られていること、そしてこうしたお祭が行われることについては次のようないわれがあるのです。
大正四年八月十五日に開業して以来、十数年間に渡り下ノ江駅構内では鉄道自殺や轢死事故が相次いで起こったり、その付近の住民が原因不明の災厄に見舞われたりして多くの変死者が出ていたことがあったそうです。
こうした不思議な出来事が立て続けに起きていた最中の大正十三年、下ノ江駅に新しい駅長が赴任してきました。彼は日頃から無宗教を自慢しているほどでしたが、赴任してからもなおこうした事故が頻繁に起こるのでさすがに不安になり、別府市の祈祷師の霊告を仰ぐことにしました。すると「鉄道建設工事の祭に切り崩した山に狐の巣があって、それを壊されたために狐が怒り、祟ったに違いない」とのお告げが出たのです。早速駅長が工事を担当した大分保線事務所に問い合わせたところ、駅の北にある鳥越山を切り崩した際に狐の巣らしいものがあって、その辺の土を下ノ江駅の整地に使ったとの答えが返ってきました。
こうした事実がわかるとさしもの駅長も狐の祟りを信じないわけにもいかず、駅員とも相談して駅の構内に稲荷社を祀ることにしました。そして昭和五年十一月三日に完成し、この日を例祭日として一心に無事を祈るようになると、それを契機に事故はピタリとなくなったということです。ところがこの駅長が佐伯に転任した後に赴任した新しい駅長が忙しさのあまり例祭を怠ってしまったところ、駅の構内で貨物列車が転覆し、死傷者が出る大事故が発生しました。これには新しい駅長たちも驚いて、以後、何があっても十一月三日の例祭は今に至るまで欠かされることはなかったとのことです。
この鳥越山に住んでいた狐は「お参」「お市」「白兵衛」と呼ばれる古狐とその一族達で、数百年近くもその一帯を根城にしていたと地元では言い伝えられています。
長年住み慣れた土地を人間によって追われた狐達の怒りを今に伝えるこのエピソードは、科学が自然を征服し得ると信じてやまない現代人に対しての警鐘であるのかもしれません。
  • 臼杵市役所臼杵庁舎TEL:0972-63-1111(代表)
  • 臼杵市役所野津庁舎TEL:0974-32-2220(代表)

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