公開日 2019年2月6日
更新日 2019年2月28日
- 地域
- 下北地域
- 名称
- しぐれ塚(しぐれづか)
- 所在
- 臼杵市平原
- 備考
- 昭和56年2月調べ
- 説明
- 市内には、俳諧塚といって芭蕉翁の追慕または先師の追善、あるいは俳人としての自分を記念するため、句を詠んで建てたと考えられる句碑が数箇所にあります。一つは、龍原寺の境内にある蓑塚と芭蕉塚、そして松島神社の古池塚、臼杵公園の稲妻塚、宝蓮寺の落花塚(現在は市立図書館の庭に移設)、平原のしぐれ塚など現在のところ六つの俳諧塚が残っています。
これらの俳諧塚の中でも特異なものとして、しぐれ塚があげられます。一般に建設された句碑には本人の句を刻み込むなど句碑に一句あるいは二句程度しか彫りこまないのですが、しぐれ塚に限っては47句も彫ってあります。
しかも、一般の句碑はその形状が自然石か記念碑のようなものであるのに対し、この句碑は衝立型をしているなど句碑建設の趣旨や句の彫り方、形状に大きな差が見受けられます。この塚は安政六年(1859)敬歓という人物によって建てられたもので、高さ75cm、幅約150cmもある。立派な凝灰岩製のものです。また、この、「しぐれ塚」という名称は、句碑に彫られた47句のうち、前段に26句も「しぐれ」の句があるところから付けられたものと思われます。
このほか、塚の前面には敬歓が詠んで書いたと言われる石柱碑が一基立っています。
碑面には自作の「嬉しさや時雨に満る塚の文字」の一句が刻まれています。
冬の穏やかな一日に、俳諧塚を訪ねての文学散歩を試みられてはいかがですか。