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末広焼

公開日 2019年2月6日

更新日 2019年2月28日

 
地域
上北地域
名称
末広焼(すえひろやき)
所在
 
備考
昭和54年8月調べ
説明
つやのある淡い青みを帯びた灰白色をした器面、そして美しく澄んだ釉(ゆう)調、一見すると中国製の白磁か有田焼の器と見まがうばかりに落ち着いた美しさを持っている陶磁器が末広焼です。
この焼物は、稲葉藩主第十一代てる通公の時代の享和二年(一八〇二)末広の皿山に開かれた藩営の窯場で、肥前・筑前・日向出身の陶工たちの手によって初めて焼かれました。この焼物は、皿山という土地で焼かれたこともあって別名皿山焼とも呼ばれています。
末広焼が焼かれた窯場は、末広善法寺の集落から、竹尾川に沿って南へ約一キロメートルほど奥にはいった、三方を小高い山に囲まれた谷間にあります。現在、このあたりは一面篠竹や雑木に覆われているため、容易に窯の位置などを見つけることはできませんが、谷間を流れる小さな川の中から見つかる陶磁器の破片や焼物の台などからこの一帯に末広焼の窯のあったことがうかがえます。
末広焼には、皿・茶碗・鉢・瓶子・壷などの器種があります。中でも皿類は一番多く焼かれており、縁には輪花をあしらった特徴的なものがほとんどで、藍色の顔料を用いて器の内外面に絵模様を描いたものと無模様のものとがあります。これらの焼物には、伊万里焼や有田焼のような派手さはありませんが、秘められた素朴で味わいのある美しさは、見る人の心を陶磁の世界へと引き込んでいきます。
じっと見つめているだけで、何か、そっと昔の出来事を語りかけてくれるような、そんな気にさせる焼物に、一度皆さんも接してみられてはいかがですか。つかの間の心の安らぎは、きっと暑い夏のちょっとした清涼剤となるかもしれません。
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  • 臼杵市役所野津庁舎TEL:0974-32-2220(代表)

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