公開日 2019年2月6日
更新日 2019年2月28日
- 地域
- 中臼杵・南津留地域
- 名称
- 井の子と山南柿(いのことさんなんがき)
- 所在
- 臼杵市東神野
- 備考
- 昭和59年8月調べ
- 説明
- 東神野の下宮本地区には、昔から地域の人々に大切に守られている「井の子」と呼ばれるすり鉢状をした窪みと「山南柿」と呼ばれている珍しい柿木があります。
井の子は、台地の南斜面に掘られている直径1m、深さ約40cmほどの素掘りの穴です。ちょっと見ただけでは何の変哲も無いただの窪みにしか見えませんが、非常にいわれのあるものです。言い伝えによると、江戸時代の初め頃(17世紀後半)まで東神野の人々は、現在の集落より5~600mほど東の地、当地区の水源地にあたる屋敷のハナと呼ばれている所にそれぞれ屋敷を構えていたそうです。ある時山庵に退隠されていた名僧の誉れ高い賢巌禅師が訪ねて見え、水が無く住むには適さず畑地となっていた現在の住宅区域に人々を移し住まわせるため、錫杖で台地の斜面を掘ったところ、たちまち水が湧き出てきたとのことです。一説によると、水を湧き出させたのは仏の霊力というものを人々に知らしめるためであったとも言われています。水の湧出によって、人々は生活水を得ることができ屋敷のハナから住居を移すことができたと伝えられています。
山南柿は、井の子の南数mのところにあります。この柿の木も由緒もあるもので、山庵の賢巌禅師のもとへ勉強に通っていた吉内(キネチと呼ぶ)さんが禅師より柿の木の苗をもらい植えたといわれています。高さは3mほどで、これ以上高くならず、一本の木に甘柿と渋柿がなります。
井の子も山南柿も歴史的に由緒があります。
それだけに、吉内さんの子孫で土地所有者でもある人々が大切に守っています。