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仁王様

公開日 2019年2月6日

更新日 2019年2月28日

仁王様の写真
地域
下南地域
名称
仁王様(におうさま)
所在
臼杵市大字深田
備考
平成元年9月調べ
説明
仁王という言葉を耳にしたとき、私たちは、その言葉の響きの中からどことなく怖いとか恐ろしいとか、あるいは非常に力強いといった思いを浮かべないでしょうか。それは、仁王像がもつ独特な姿が、頭の中に焼き付けられていて、仁王という言葉を聞くと、ただちに、怖い、恐ろしいなどといった言葉と結びつき、思い出されるものと思われます。多くの場合、上半身が裸体で、頭髪はかずらを結び、金剛杵を振り上げて憤怒の形相を示しており、この形相を一度見れば、忘れられない強烈な印象として、頭の中に刻み込まれることは確かだと思います。仁王は金剛力士あるいは密迹(みっしゃく・仏に近侍して秘密の奇跡を知るという意味)金剛などとも呼ばれ、寺社の山門に安置されていることがほとんどです。この仁王像は、寺域や仏像、更に神社などを悪霊から守ることを目的として造立されています。したがって、寺社の入口に当たる山門に配され、二体の像が息を合わせて悪霊が進入してくることを防いでいるわけです。昔から二人の息がぴったりと合うことを阿吽の呼吸といっていますが、この言葉はここから生まれたものです。仁王の一体は口を開いた阿形、もう一方は口を閉じた吽形。この吸う息と吐く息とがぴったりと合えば、その気迫によっていかなる神仏の敵も寄せ付けない。このことから阿吽の呼吸という言葉が生まれ、何か事を行う時、語らずとも互いに意志を通じさせて行うことのたとえとして使われるようになったと思われます。
臼杵にもこの仁王像が何組かあります。一番良く知られているものとしては、深田区内にある満月寺の仁王像(木原石仏)と珍しいもので古園石仏群の北西隅に彫られている磨崖の仁王像があげられると思います。
満月寺の仁王像は、二体とも膝から下を地中に没しているため、全体の高さを正確に知ることはできませんが、おそらく2m前後の高さがあるものと思われます。阿形・吽形とも鼻を欠いていますが、地元の言い伝えによると、昔、村に疫病が流行った時、人々は仁王が悪いものを追い払う法力を持つということから、像の鼻を削り、それを煎じて飲むと治るという俗信を信じて、盛んに鼻を削ったため鼻がなくなってしまったといわれています。両像とも腰を外方に強くひねっている力のこもった所作と本来の仁王像とは異なる顔の表情とが溶け合ってユーモラスな雰囲気を醸し出しています。このことから畏怖に満ちた像というよりは、非常に親近感あふれる仁王像として、訪れる人々の気持ちを和ませてくれます。
この仁王像の造立年代は鎌倉時代の終わり頃から室町時代の初め頃と推定されています。

お問合せ

文化・文化財課
  • 臼杵市役所臼杵庁舎TEL:0972-63-1111(代表)
  • 臼杵市役所野津庁舎TEL:0974-32-2220(代表)

※直通のダイヤルインや通話料金、電話交換システムに関することは、お問合せページをご覧ください。

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