公開日 2019年2月6日
更新日 2019年2月28日
- 地域
- 下南地域
- 名称
- 門前の地下式横穴(もんぜのちかしきよこあな)
- 所在
- 臼杵市大字前田
- 備考
- 昭和55年6月調べ
- 説明
- 門前地区から水ヶ城のテレビ中継所まで通じている坂道を三百メートルほど登っていくと、道の右手に石柱の柵で囲まれたところがあります。入り口がふさがれているため穴の内部を見ることはできませんが、この柵の内側に地下式横穴と呼ばれる埋葬用の遺構があります。
このほか、深田や井村地区などでも同じような地下式の横穴が、あわせて五基ほど発見されています。このような遺構は、地上に何らかの標識を持っているわけではなく、地中に残っているため、開墾や造成工事などの際に横穴の天井部分などが陥没して、偶然に発見されることがしばしばです。
これらの地下式横穴は、古墳時代(今からおよそ千七百年から千四百年前)の竪穴式石室、横穴式石室などから派生した、古墳時代から室町時代にかけての埋葬施設といわれています。市内でも限られた地域しか発見されておらず、数も少ないことから、特殊な墓の形態といえるでしょう。
門前の地下式横穴は、地表から平面が方形をしている竪穴を、垂直に約百二十五センチ下がると、そこから玄室(遺骸を納める部屋)と呼ばれる奥行き百七十五センチ、横幅二百八十センチ、高さ九十五センチの比較的広い横穴が掘られています。玄室内から副葬品などは出土していません。
市内に存在している地下式横穴のうち、地表から内部を観察できるものとして深田所在の小五郎地下式横穴があります。
※ 門前の地下式横穴は、昭和五十三年四月八日に市の史跡に指定されています。(H14.10月加筆修正)