公開日 2019年2月6日
更新日 2019年2月28日
- 地域
- 下南地域
- 名称
- 中尾五輪塔(なかおごりんとう)
- 所在
- 臼杵市中尾
- 備考
- 昭和54年2月調べ
- 説明
- 中尾五輪塔は、堂ヶ迫石仏群上手の台地にあります。このため、重要な文化財であるにもかかわらず、意外に人に知られておらず、訪れる人の少ないことが惜しまれます。
この石塔は、聖(ひじり)塔と呼ばれており、六、七十センチぐらいの間隔で二基並んでいます。二基とも凝灰岩の一石づくりですが、荒削りで、各部にひずみがあり、上にいくほど順に小さくなっているので、全体としては、あまりバランスのとれた塔とはいえません。これはたぶん、少し下張りのした柱状の石を、塔形に刻んだためだと思われます。それでも、この石塔は重厚な趣とともに、上部の形は古さを物語っています。
向かって左方のものが大きく、総高1.52mあり、地輪は下が広く、上はせまくなっています。外輪は平面が円ではなく、角張っています。地輪に嘉応二年(1170)の刻銘があります。
また、向かって右方のものは総高1.04mで、地輪に面取りのあるのが注目されます。この塔には、承安二年(1172)の刻銘があります。
ともに、平清盛の全盛の頃の平安後期に造立されたもので、刻銘のあるものとしては我が国で二番目と三番目に古いものです。
昭和二十七年三月に国の特別史跡として、臼杵磨崖仏の中に含まれて指定を受け、さらに昭和二十九年九月、石仏より早く(石仏は三十七年)国の重要文化財として二重に指定されています。