公開日 2019年2月6日
更新日 2019年2月28日
- 地域
- 下南地域
- 名称
- 温井の石風呂(ぬるいのいしぶろ)
- 所在
- 臼杵市温井
- 備考
- 昭和53年5月調べ
- 説明
- 温井の塩石にある石風呂は、凝灰岩に掘られた横穴形式のもので入り口の高さ約2m、幅2.2mのものです。
内部の床面の左側に深さ20cmばかりの溝が掘られていますが、これが前壁の一部を破って外に通じています。用法についての言い伝えはありませんが、石を焼き、そのうえでセキショウなどの薬草をむして、近くまできていた海水を汲んではかけ、蒸気を出して浴していたものかと思われます。地形から海草が薬草として使われたとも思われます。
この石風呂の前右上方の岩壁には、月桂寺第十世独園禅師の詩が陰刻されています。
地仙結宇倚岩陰 石室烟蒸薬気深 春夜眠醒纔出浴 何来風雨灑花林 春夜宿無一亭 明和壬辰釈処
地仙いえを結んで岩陰による 石室えんじょう薬気深し 春夜眠りさめわずかに浴を出ず 何ぞ来る風雨花林にそそぐ 春夜無一亭に宿す
明和壬辰とあるので、明和九年(1772)にはこの石風呂は完成していたと推定されます。
昭和四十二年三月県の有形民俗文化財に指定されています。(H14.10月加筆修正)