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祗園様の神輿

公開日 2019年2月6日

更新日 2019年2月28日

 
地域
臼杵・南部地域
名称
祗園様の神輿(ぎおんさまのみこし)
所在
 
備考
平成3年7月調べ
説明
コンコン チキチン コン チキチン
この鐘の音を聞けば、臼杵の人なら誰しも一種の心のときめきを覚えるのではないでしょうか。臼杵の夏は、祇園祭で彩られます。
祇園祭は、今から約四百年前の慶長十六年(一六一一)から続いている八坂神社の夏祭りです。最初は祇園洲の八坂神社境内で、祭礼と神楽、流鏑馬の奉納が行われていたのですが、寛永二十年(一六四三)、海添五味浦馬場(祇園馬場)に御旅所が造営されてからは、夏祭りの期間中、御神体をここに移して祭礼が行われるようになりました。
祇園祭のハイライトともいえる毛槍振り、山車(やま)などによる大行列は、この御神体を御旅所へ移し、祭礼が終わるとともに再び本宮(八坂神社)へ安置するための行事です。本宮から御旅所へ向かう行列を“渡御”、本宮へ帰ってくるそれを“還御”と呼び習わしていることは皆さんもご周知のとおりです。
渡御、還御の際に、御神体の乗り物となるのが神輿です。祇園祭では八坂神社の主祭神である三体の御神体が、第一神輿(須佐之男命)、第二神輿(大国主命)、第三神輿(櫛稲田姫命)の三基の神輿に分かれて御神幸(御神体が祭礼の時に本宮から他所へ移されること)します。
現在のように神輿が三基出されるようになったのは、延宝三年(一六七五)からのことで、最初は寛永二十年につくられた第一神輿一基、正保四年(一六七四)に第三神輿がつくられてから延宝三年に第二神輿がつくられるまでは、二基の神輿で神幸が行われていました。これらの神輿は、それぞれ当時の臼杵藩主が寄進したものでもあります。
現在、神輿をかつぐ時の掛け声は「ワッショイ、ワッショイ」なのですが、かつてはそれとは違った独特なものがあったのです。
この掛け声は最近まで残っていたのでご記憶の方も多いと思います。行列の途中、何回か立ち止まって神輿を両側から揺さぶりますが、この際渡御のときは一方が「ヨウサヤ」と突き上げるともう一方が「チョウサヤ」と突き返し、還御のときはこれが「ヨウネンナ」「チョウネンナ」にかわるというものがそうです。これらの語源については不明ですが、狂言の中で、「チョウサヤー・ヨウサ」を物を引く時の掛け声として用いているものがあることから、中世にはすでに使われていた、共通語的な掛け声であったことが想像されます。
また、還御で神輿を揺さぶる時は、「アーナ・ナーゴリ・オーシャナー」との、宰領の号令で始められます。これは「ああ、お名残惜しい」との意味で、町に降りて神様との、しばしの別れを惜しむ気持ちをあらわしたものです。
今年もまた、夏がやってきました。祇園祭はもう間近です。
  • 臼杵市役所臼杵庁舎TEL:0972-63-1111(代表)
  • 臼杵市役所野津庁舎TEL:0974-32-2220(代表)

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