他のカテゴリも表示する

稲荷と狐(その一)

公開日 2019年2月7日

更新日 2019年2月28日

 
地域
その他
名称
稲荷と狐(その一)(いなりときつね)
所在
 
備考
昭和59年6月調べ
説明
稲荷といえば狐、狐といえば稲荷といわれるほど、稲荷と狐とは私達の心の中に深く浸透し、今日では、切っても切り離せないほどの関係になっています。さらに二月初午・朱の鳥居・油揚に小豆飯など、お互いにまったく別の要素が結びつき、これがごく自然なこととして人々に受け入れられています。本来、稲荷社の祭神は「宇加之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」といわれる穀物神であり、狐はその神使であったものですが、いつのころからか、宇加之御魂大神をしのぐ勢いで信仰され、「稲荷即狐」という信仰となり、狐神になっていったものと考えられます。
稲荷というのは、もともとは古代において大陸から渡来し、帰化した氏族の一つである秦氏が、その居住地であった山城国深草の里(現、京都市伏見)で氏族の神として祀っていたものです。それが時の為政者達の政治的な配慮のもとに利用され、各地に勧請されて信仰が広まっていったものと思われます。稲荷と狐の関係については、日本に数ある狐の説話や伝承の中にそれを明らかにできるものは見当たりません。これを探るためには、大陸から渡来した秦氏が初めて祀ったという点から中国の古代思想である陰陽五行思想というものを考える必要があると思われます。この思想の中では、宇宙を構成する木・火・土・金・水の五要素(気)の中で、土気が最大の徳を持つことから中国の農村では土気が最も尊崇され、黄色の毛で覆われている狐は、土気を象徴する化身とみなされ、土の徳を有する神としての信仰を集めていました。それが日本に伝えられ、狐=土=穀物=稲荷という関係から稲荷と狐が一体のものとして考えられ、信仰されるようになったと思われます。
  • 臼杵市役所臼杵庁舎TEL:0972-63-1111(代表)
  • 臼杵市役所野津庁舎TEL:0974-32-2220(代表)

※直通のダイヤルインや通話料金、電話交換システムに関することは、お問合せページをご覧ください。

このページの
先頭へ戻る