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小出観音

公開日 2019年2月6日

更新日 2019年2月28日

小出観音の写真
地域
下北地域
名称
小出観音(こいでかんのん)
所在
臼杵市藤河内小出
備考
昭和57年1月調べ
説明
手甲・脚絆にわらじをはき、すげの笠をかぶり、鈴を鳴らし、金剛杖をつきながら霊場を巡るお遍路さん(巡礼)の姿。このような姿を今日、臼杵市内で見かけることはなくなりました。厚い願いを胸に秘めて黙々と目的の札所に向かって歩く姿には、何ものにもくじけない意志の強さと、鳴り響く鈴の音からは、そこはかとない一種独特の哀愁が漂ってきます。巡礼の札所などといえば、最初に思い起こされるのが四国八十八所、西国三十三所などの霊場ですが、これら霊場の霊験のあらたかさといささかも変わらず、しかも、そのミニチュア版とでもいうべき三十三ヶ所の札所が市内にもあります。
その中の第一番札所として小出観音があります。小出の集落から北方の谷間を100mほど登ると谷の西側のゆるやかな斜面に営まれた瓦葺きの小堂があります。ここが小出観音です。
古い文献資料(臼陽寺社考)によると、村の近くの谷に古くから観音様が祀られていましたが、享保六年(1721)八月、藤河内村の村長であった三重野作右衛門が、観音を深く信仰して小出に小堂を営み観音を移したとあります。
また、谷に龍舌の滝があるところから紀州(現在の和歌山県)那智山の滝になぞらえ、このお堂を海部郡三十三所のうちの第一札所とし、享保八年(1723)正月十八日には、新たにつくった三十三仏をこの小堂に安置しています。ここに安置された三十三体のうち十一面観音像と千手観音像とが一番多く、各十数体を数えます。主尊には、あらゆる願いをかなえてくれるといわれている如意輪観音像があてられています。
時の流れとともに周囲の景観はだいぶ変わりましたが、谷間の静けさとお堂の観音だけは、今もなお往時の霊場の姿を伝えてくれます。
  • 臼杵市役所臼杵庁舎TEL:0972-63-1111(代表)
  • 臼杵市役所野津庁舎TEL:0974-32-2220(代表)

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