邪鬼龍原寺三重塔

公開日 2014年1月1日

 
地域
臼杵・南部地域
名称
邪鬼龍原寺三重塔(じゃき りゅうげんじさんじゅうのとう)
所在
臼杵市平清水
備考
平成2年12月調べ
説明
平清水、龍原寺三重塔のそばを歩くことがありましたら、塔の一層目の軒裏にちょっと目をとめてみてください。(軒を支える柱上の軒受け材)の上に座って重そうな軒を肩で支えながら、ユーモラスな表情でこちらをみおろしている小さな鬼たちに気づかれることと思います。
この小さな鬼たちは、仏教の世界で邪鬼と呼ばれ、仏教を理解しようとせず、ひねくれて仏教信者にならない衆生(すべての動物)のことといわれています。天邪鬼ということばがあるようになかなかのひねくれ者たちなのですが、中には仏の説得によって仏教に帰依したいと改心する者もあらわれ、すすんで仏の役に立ちたいと灯火を捧げたり、その台座のかわりに我が身を投げ出したりするとされています。彫刻ではこうした仏に対する奉仕の様子をユーモラスな表情で表現しており、荘重な仏教彫刻の中にあって極めて人間臭い存在といえるでしょう。
この邪鬼像が龍原寺三重塔のように建築物の中にとり込まれていることは極めて珍しい例であるようです。この三重塔は京都や奈良の木造古塔を参考として、臼杵の名匠・高橋団内が設計し安政五年(1858)に完成したものですが、京都や奈良の塔で邪鬼をこのような位置にはめ込んだものは見あたりません。恐らく団内や、この三重塔の製作に携わった工匠たちの発想によるものと思われます。
この邪鬼像は、高橋団内の弟子である宇野定治の作と伝えられています。それぞれ表情やポーズは異なっていて、苦しげな表情で両手と肩で軒を支えるもの、かと思えば片手で軽々と垂木を持ち上げているものなど、確かな彫刻技術の中に軽やかな遊び心も感じられます。ただ残念なことに、東南隅の一体はすでに建築当時のものが失われており、現在その位置には、昭和四十三年度の塔の修理工事の際に他の三体をモデルとして新しく造られた模造像が置かれています。
建築構造の面からみれば、これらの邪鬼像は力学的に何の役割も持たない純粋な装飾だとのことですが、そのリアルな表情を見れば一心にこの塔を支え、仏に仕えようとする邪鬼達の奉仕の念が伝わってくるようです。
 今年もはや年の暮れを迎えました。来年は2014年、この小さな力持ち達が塔を支えて百五十六年目になります。ご苦労さま。それでは、よい年を。
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